第6章 そのとき、奇跡は起きた!

そんな時、Sさんから日本人のお見合いのを組んでくれた。結果はどうなるかわからないが、出かけていった。

渋谷の「東急ホテル」で待ち合わせだった。当日、指定の時間に、指定の場所で待っていたがそれらしき人はいない。時間が過ぎたので、Sさんへ電話した。相手の所属する結婚相談所からお相手に電話してもらったら、来ているという。
私はもう一度ホテルの隅々まで見渡したが、いない。もう一度Sさんへ電話して、お相手の携帯番号を教えてもらった。通常はそんなことはしないだろうが、場合が場合だけに対応してくれた。

その電話に電話すると、確かに女性が出た。ホテルのロビーにいる、という。
何が見えるか聞いたら、ちょっと私が見える景色と違う。もしかして階が違うところ、もうひとつのロビーがあるのかな、と思って、目の前の見えた階段を上がってみた。でもそこはロビーでなく通路だけだ。私は焦って、ホテル内を歩きまわった。気がついたら、従業員の通路を歩いていた。

これはまずいと思い、もう一度携帯電話で「とにかく、ホテルの外へ出てください。私も待っていますから」と伝えた。

ホテルの外へ出て、入り口前でずっと待っていた。でもそれらしき人は出てこない。「今日はダメかな」一瞬頭をよぎった。

もう一度携帯に電話して、「そこから何が見えますか?」と聞手くと、「東急プラザと歩道橋が見える」という。それは駅の近くで、こっちからは見えない。

そうか違うホテルにいるいのだと思って、「東急プラザの前で待っていて」といって、駆け足で向っていったら、それらしき背の低い女性が立っていた。

その女性が現在の妻だ。

12月に会って、翌年の3月に結婚した。

私が神様にお願いしたとおりの「会っていて楽しい人」が満たされたばかりか、10歳年下の初婚、という破格の好条件であった。